悪(アク)を食(ク)ふて暮(クラ)さなならん時(トキ)近(チカ)づいたぞ、悪(アク)に食(ク)われんように、悪(アク)を噛(カ)んで、よく消化(ショウカ)し、浄化(ジョウカ)して下(クダ)されよ、悪(アク)は善(ゼン)の仮面(カメン)をかぶってゐること多(オオ)いぞ、だが悪(アク)も大神(オオカミ)の中(ナカ)に生(ウマ)れたものであることを知(シ)らねばならん。ダマシたいものには一先(ヒトマ)づダマサレてやれよ、ダマサレまいとするからダマサレるのであるぞ。生命(イノチ)の樹(キ)の実(ミ)は美(ウツク)しくおいしいぞ、食(タ)べてはならんが食(タ)べねばならんぞ、肉体慾(ニクタイヨク)が先(サキ)に出(デ)るから生命(イノチ)を失(ウシナ)ふ、心(ココロ)でとりて実(ミ)を喜(ヨロコ)ばせて食(タ)べるとよいのであるぞ、食(タ)べないで食(タ)べる秘密(ヒミツ)。